こんにちは!エステティシャン冨永 雅代です。2025年9月・・とは思えない猛暑が続いています。身近でも体調不良の方や、感染症の方、ボーッと集中力が切れてしまった方を良く目にします。今日は、鉄欠乏が与える、免疫力低下について書いていきます。

目次
最初に
お伝えしたいこと
鉄欠乏を知らないまま、血液検査で大丈夫だったからと放置し、身体のスタミナ不足からの不調をこんなもんかと放置されている方がとても多くいらっしゃいます。体力の消耗が激しい夏季は特にその影響を受けやすくなります。
鉄欠乏が免疫機能にどのような影響を与えるのかを、分かりやすく書いていきます。また、鉄の基本的な役割や不足の原因、免疫力低下による感染症リスクの上がり方、自己免疫疾患とのつながり、体調や肌への影響、毎日の食事やサプリメントでできる対策、鉄不足を見逃さないためのチェックポイントまでを順を追って書いていきます。
鉄と免疫の関わり
鉄は全身に酸素を運ぶ栄養素です。また体内で起きる多くの反応を助けています。鉄は酸素を運ぶだけでなく、体内の多くの反応を助ける“縁の下の力持ち”です。免疫細胞が働くときにも鉄が必要になります。リンパ球の細胞分裂による増殖、エネルギー産生にも鉄は欠かせません。不足したままだと免疫細胞に深刻な影響を与え、免疫力を低下させる可能性があります。鉄が足りないと、疲れやすい、息切れがする、手足が冷える、イライラといったサインに加え、感染症にかかりやすくなることがあります。
その様に、鉄は心身にとって重要な栄養であるため、食べ貯めができない栄養とは違い、フェリチンという形で、肝臓や脾臓、骨髄に貯蔵されます。
症状と改善策
風邪を繰り返す、口内炎が治りにくい、傷の治りが遅い、皮膚のトラブルなどは鉄不足のサインです。鉄不足はサプリメントの補給で多くの場合は改善が期待できます。
鉄不足が起きている方
・疲れやすい、集中力の低下、ボーッとする、肌のたるみ、風邪を引きやすい、治りにくい、手足が冷える、皮膚の張りの不足、ニキビ肌荒れを感じている方
・月経がある、出産経験者、成長期、スポーツや肉体労働で体力の消耗が激しい方
・生活習慣が乱れている方
貧血の原因
貧血は血液の赤血球やそのなかのヘモグロビンが少ない状態をいいますが、その原因はさまざまです。鉄やビタミンが足りていない「材料不足」、血液を造る場所である骨髄の病気が隠れている場合「造血障害」、せっかく造られた血液を激しい運動などで破壊してしまったり(溶血)月経などで捨ててしまったり(出血)。ホルモンの状態や腎臓の状態によっても貧血になります。これらのなかで最も多い原因はからだの中で鉄が足りていない「鉄欠乏性貧血」です。
鉄欠乏性貧血とは、その名のとおり鉄分が不足することでおきる貧血です。鉄は赤血球のなかのヘモグロビンという赤い色素(血液が赤いのはこのためです)を作るのに欠かせない材料なので、不足するとヘモグロビンが十分に作られなくなって貧血になるのです。貧血の方のうち約7割がこの鉄欠乏性貧血です。貧血と診断を受けていなくても鉄不足により症状を強く感じている方があります。
鉄分の役割と鉄欠乏について
鉄欠乏で身体が弱る
鉄欠乏性貧血は、体内の鉄が不足して赤血球やヘモグロビンの量が減り、全身に十分な酸素を運べなくなる状態です。鉄はヘモグロビンの材料で、酸素を運ぶ役目を担っています。鉄が足りないと疲れやすく、息切れやめまいを感じやすくなります。
・ 月経のある女性、妊婦、成長期の子ども、高齢者、消化管からの出血がある人などに多く見られます。偏った食事や、タンパク質不足の方、動物性の鉄を多く含む食品をあまり食べない人も不足しやすいです。
日常で起きる具体例
- 月経量が多い人
- 妊娠中の方(赤ちゃんと鉄を分け合うことで母体の鉄が減ります。)
・産後に鉄分を補わないまま過ごしている方
倦怠感や動悸、息切れなどの症状が続く場合は採血でヘモグロビンやフェリチン(鉄の貯蔵)を調べます。医師に相談し、必要に応じて詳しい検査や治療を提案してもらうこともGOODです。
鉄欠乏性貧血では体に必要な酸素が不足し、全身にさまざまな症状が現れます。軽いものから重いものまで、また鉄は不足すると大きな病気の引き金になる栄養です。慢性化する事で諦めるのでは無く、日常生活の変化に気づくことが大切です。
鉄不足が続くと心臓に負担がかかり、重症では心不全や心筋梗塞、脳卒中のリスクも高まります。体が酸素を運ぶために心拍数を上げ続けるためです。鉄は体のさまざまな細胞で働きますが、特に免疫細胞の働きに重要です。
好中球は外から入った細菌をすばやく攻撃し、リンパ球はウイルスや記憶に対する防御を作ります。鉄が不足するとこれらの働きが弱まります。何より日々のしんどさが、体力の消耗しやすい季節は特に辛く感じるでしょう。
肌(美容)への影響
・肌 肌が青白い、くすみ、黄色い、肌の弾力低下で、たるみが多く、目の下のクマが目立つ。赤みやニキビができる
・髪 抜け毛が多い、ハリやコシの不足、艶が無く、うねりが出やすい
・爪 薄く割れやすい、縦筋が増える、先が反り返る、変形
・口元 口角が切れやすい、口内炎が治りにくい、舌がヒリヒリする
肌トラブルが常にある方は、身体が酸欠で解毒不良のため上手く代謝できておらず、炎症も長引きやすくなります。産後の抜け毛も鉄欠乏が関わっている場合が多いです。
鉄欠乏のサイン チェックポイント
・休んでも疲れが抜けない日が続いている(身体を動かす筋肉の酸素の量が不足するため)
・立ち上げるとフラついてしまう。(血液中の酸素運搬能力が低下し、脳に十分な酸素が送られないため)
・集中力が続かない、不安感、イライラする。(心のバランスを整える神経伝達物質の生成不足)
・頭痛肩こりが多い (脳や筋肉への酸素共有不足)
・氷や冷たいものが無性に食べたくなる (自律神経の乱れ、体温調節不良)
・手足が冷たい(酸素が全身に行き渡りにくくなるため)
・口内炎や口角の切れが起こり、治りにくい(粘膜上皮細胞の修復と再生不良)
・髪の抜け毛が増え、毛量が少ない (鉄不足による、髪の毛の成長に必要な栄養不足)
・爪が薄く、欠けやすい
・肌のたるみが多く、ニキビや炎症が常に出ている(コラーゲン生成の不足、肌細胞の解毒代謝不良)
3つ以上当てはまる場合は、血液検査等で調べる事、サプリメントのおすすめします。放置すると心身共に、加齢と共に急激に悪化しやすくなります。
食事での鉄分の補給
鉄には大きく分けて2つの種類があり、吸収されやすいヘム鉄と、吸収しにくい非ヘム鉄です。牛・豚・鶏・まぐろ・かつお・いわしなどの魚動物性の鉄を意識して摂りましょう。
ほうれん草やブロッコリーなどのお野菜は、非ヘム鉄で、さらに含有量が低く、吸収も弱い為、不足している人の助けにはならないでしょう。
サプリメントで効率よく補給する
鉄欠乏の症状は、つらく、心身ともに全身に影響を与えます。牛赤身肉に含まれる鉄の量は100gあたり、1.5~2.5㎎と言われていて、食事で毎日不足分を補って体調の改善にまで持っていくには、とても難しく現実的では無いでしょう。
鉄欠乏の改善にどれくらいかかる?
赤血球の寿命は120日・・ヘム鉄を飲むと、症状が3週間~で改善し、そのあとヘモグロビンが上昇し、最終的に貯蔵鉄のフェリチンが正常化していきます。ヘモグロビンが変わるのに、2~3ヶ月かかり、フェリチンが安定するの最低6か月ほどは様子を見る事が目安です。
鉄欠乏を見逃さないで
見逃しやすい身体のサインを☑
産後からずっと、不調を抱えている、生理前後の不調、肌トラブルなど・・慢性化して諦めていませんか?
・直ぐに息切れする、階段でドキドキする
・とても疲れやすく、風邪を引きやすい
・顔色が白っぽい、色黒の人は、くすみが目立つ、黄疸が出る場合も
・不安感、集中力が続かない、イライラする
上記が数週間続いている場合、日常に支障が出る際は、血液検査を検討してください。
鉄欠乏性貧血の検査
鉄欠乏性貧血を血液検査の数値、いくつかの項目を確認します。保険適用の検査では、見落としがある事があります。
・平均赤血球容積(MCV)、血清鉄、総鉄結合能、フェリチン・・特にフェリチンと、総鉄結合能(TIBC)の値は、鉄欠乏性貧血の診断において、大切な指標とされています。さらに不飽和鉄結合能(UIBC)の値の増加を確認します。
UIBCは、トランスフェリンと結合していない鉄の値です。(トランスフェリンは肝臓で合成される鉄結合性糖タンパク質で、鉄の貯蔵と運搬を行います。血液を通じて鉄を輸送し、ヘモグロビンの合成や、鉄代謝に関与)鉄欠乏性貧血では、血清鉄が不足し貯蔵鉄から補われた鉄がトランスフェリンと結合していないため、UIBCが増加します。
症状を我慢しないで、生活習慣の改善を
妊娠中や、授乳中の女性はもちろん、妊娠出産後、きちんとした食生活の管理、鉄の補給をしなかった方、月経量の多い女性、成長期の子供、高齢者、偏食ダイエット中の人、スポーツ選手や、激しい運動をする人、消化管手術を受けた方、などは鉄欠乏貧血になりやすいです。
予防には、バランスの良い食事、ストレスの無い生活が重要です。
食事は、鉄分を多く含む食品(レバー、赤身肉、新鮮な鶏肉、魚貝類、海藻、緑黄色野菜、大豆製品など)を毎食、意識して摂取しましょう。特に、赤身肉や魚介に含まれるヘム鉄は吸収率が高いです。また、ビタミンCを同時に摂取することで、鉄の吸収効率が上がります。
また、緑茶や紅茶、コーヒーに含まれるタンニンは鉄の吸収を阻害するため、食事中の摂取は控えめにしましょう。また、タンパク質、ビタミンB12、葉酸、ビタミンB6、銅なども赤血球の産生に寄与するため、バランスの良い食事を摂ることが大切です。
糖分の摂り過ぎに注意
日常的に、糖分を過剰摂取しやすい、特に気を付けていなければ自然に糖分が多く入ってきてしまう世の中です。ご飯や、パン、イモ類、甘いお菓子、飲料などに含まれ、消化・吸収しエネルギーとして使われる以上に、残った糖質が中性脂肪として蓄積されている方がエイジング世代には多く見られます。
糖分を摂りすぎてしまうと、糖尿病などの生活習慣病になりやすくなるほか、さまざまな弊害があります。糖質は消化される際にビタミンB群やカルシウムなどの栄養素を必要としますが、糖分をとり過ぎるとこれらの栄養素も大量に必要になり、体内で不足してしまいます。
知らず知らずに蓄積してしまう糖分・・薬物や、アルコールと同様の中毒性を持ちます。少しづつの積み重ねが、体重増加(中性脂肪)だけでなく、血糖値スパイク(アップダウン)による血管へのダメージ、精神症状の悪化を引き起こします。
ある程度の年齢になれば血糖値を下げるホルモン インスリンの分泌機能は衰えます。食後急激に眠くなったりだるさを感じたりする場合、イライラ、頭痛や動機が起こるとき、血糖値スパイクにより体内に活性酸素が大量に発生し、血管がダメージを受けてしまうという事を忘れないで下さい。
身体は体調不良として様々な反応を示します。痛みやだるさ、浮腫みや、精神症状等、いくつかの種類があります。体力を消耗させ、栄養素の無駄使いが生じ、負のスパイラルが起きる糖質の決まりの無い摂取は、健康状態を悪化させよりスタミナ不足になりますので、注意してください。
最後に
私も、深刻な鉄欠乏の症状で、上記に書いたトラブルは全て経験があります。肌のニキビ、口角の切れ、生理中に身体が鉛の様に重く、息苦しかった20代は本当に辛かったです。いっそ病気になって休みたいと思っていましたからね…今は病気は嫌!元気で長生きしたいと思い日々過ごしています。
鉄を補給して生理前後の悩みは全く無くなり、精神的にも強くなりました。
治ったから分かるのですが、周りを見ていても、鉄不足について、気づいている方が本当に少なく、目についた、無関係なサプリメントをなんとなく飲んでいる方が多くあります。全身に酸素を運ぶために鉄分が必要なのに、別の栄養では当てはまりません。
また海外製のキレート鉄は上手く体内で生かされず活性酸素の原因になってしまいますので気を付けてください。
大切なお身体に入れる栄養について、きちんと精査して欲しい事、ご自身のお身体の不調を放置せずに、お身体の声を聞いて然るべき対応をなさってください。
そして体力が低下すると様々な症状を感じやすく、悪化しやすいので、十分な睡眠、栄養、生活習慣を整えるきっかけになりますように。身体は代謝し続けています。その新陳代謝のエラーが疾患に繋がります。
超高齢化社会です。死ぬ時期は選べませんので、年齢を重ねても元気に自由に動けるお身体を目指したいと日々考えています。夏季は特に鉄不足で起こるスタミナ切れについて見つめて欲しいと思います。最後までご覧いただきまして、有難うございました。
TOMINAGA化粧品の原点、セラムローションお試し価格をご用意しております。
Instagramにて美容健康情報を発信しています。
この記事を書いた人
-
1971年3月24日生まれ AB型 美容歴25年、大阪本町のフェイシャル専門サロン エステティックトミナガ オーナーエステティシャン。一人ひとりのお肌に向き合い最適なアドバイスとケアを行う、オーダメイドスタイルを追求。お客様のお肌に触れてきた経験から培った、実践的な美容情報を発信。インターネットショップ エクレイズムにて、オリジナル化粧品を販売。エステ&マッサージ、クラシックバレエと牛肉をこよなく愛する。2児(男)の母でもある。
→詳しいプロフィールはこちら
最近の投稿
エステティック トミナガのこと2025年10月17日観葉植物とお花
食について(お取り寄せなど)2025年10月16日新米の季節
新着情報2025年10月15日佐藤隆紀さんの美声
新着情報2025年10月15日野菜オムレツ